冬ごもり
「龍、起きて。授業だよ」
布団を剥がしとって体を揺すった。
「んだよ、しずくー。俺はサボるからいいんだ」
眠そうに起きあがって目をこする。
「次は小テスト。受けなきゃ補習だって」
「げ。」
イヤそうに顔をしかめると龍は渋々ベッドから降りた。
「めんどくせぇ」
「じゃあ補習?私は手伝わないからねー」
そう言って笑うと今度は拗ねたような表情に変わる。
「はいはい、行きますって!」
寝ていて乱れた髪を軽く直すと、ふと私の顔を見つめてきた。