冬ごもり
「使えよ」

あくびをしながら言った龍を見てから手の中の物を見る。


飛んできた物はリップだった。
使いかけだから龍のリップだろう。



・・・龍の!?



「いや、いいよ!!」

「使えよ。切れたらもっと痛いだろ?」


近づいてきた龍は私の手の上からリップを取り上げキャップを取った。


「や、ホント、いいよ!教室いけばあるから!!」


つけたら間接キスになっちゃうじゃん!!
恥ずかしくて私は全力で拒否した。
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