冬ごもり
「うるさいな!もう離してよ!」
赤い顔を隠すために下を向いた。

「まーだ。ずっとプルプル震えてて、可愛かったし」
でも龍はそう言って笑うとまた顔をのぞき込んでくる。

「んな!」

視線だけあげると龍と目がばっちり合ってしまった。



「ていうか、塗りすぎたかも。唇テカってる」

「え!?なにしてくれてんのよ!」


拭おうと口元に当てた手は何故か龍によって阻まれた。




「…ちょっと動くなよ?」

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