好きなキモチ。
夏目先生は、私達のところに来るとミズホちゃんの手首をガッチリと掴んだ。
それはもう、逃がさないと言いそうなくらい。
見た目だけで分かる。
だって、夏目先生の笑顔が黒いから……真っ黒だから。
「竹井さん、アナタ青柳くんまで連れ出して……忘れ物は自分一人で取りに行けるわよね?フフッ」
夏目先生、黒すぎて眩しいです。
そんな夏目先生の姿を見ていた私と翔太くんと竹井くんは、苦笑い。
ミズホちゃんは『痛い痛い』と半分泣いていた。
そんな夏目先生を誰も止めようとしない。
いや、止められないの方が正しいかな。
…夏目先生ってこんな怖い人だったんだ…。