好きなキモチ。
私の目の前で『何時に仕事終わるかな』と呟き始めた翔太くん。
え、え、えぇ!?
なんか話が進んじゃってるよね?
「翔太くんっ…」
「あ、ごめん。…無理だった?」
「いや…そのっ」
私が翔太くんに会いたくてここに来たのに、せっかく翔太くんに『待ってて』って言われてるのに……私は何で『待ってる』って言えないの?
私の中にある何かがそれを言わせないんだ。
だから、言いたいのに言えない。
そんな私を見ていた翔太くんが口を動かした。
「なぁ、みこ……何でみこはここ(病院)に来たの?
体調が悪いわけじゃないだろ?
怪我をしたわけでもないだろ?
俺だって、一応医者だよ……そんくらい分かる。
でも、今みこが何を考えて…どうしてここに来たのかは分かんねぇよ」