好きなキモチ。
翔太くんに言われた言葉が心にグサリと刺さる。
この感覚、あのときと同じだ。
私が翔太くんの家に言って言われたときと同じだ。
あのときは確か……逃げ出したんだよね。
だけど、今の私と昔の私は違うんだ。
今は声だってちゃんと出る。
翔太くんだってそれを分かって言ってくれた気がする。
言わなきゃ、伝えなきゃ……翔太くんに。
「わ、たしは…あ、えっと…─「ゆっくりでいいよ。焦らせてごめん。強く言ってごめん。今度はちゃんと待つから」
翔太くんは、そう言いながら私の手を握る。
「私は、翔太くんに会いにここに来た────……。」