好きなキモチ。
翔太くんが入っていった後、数分してから翔太くんが戻って来た。
「……あれ?早いねっ」
「ああ、夏目先生に事情言ったら『忙しいけど、邪魔はしたくないから……違う日に沢山働いてもらう』って言われて」
「そっか」
「……えっと、その荷物見ると、まだ家は決めてない感じ?」
白衣姿とは違って、私服姿で現れた翔太くんに、私はずっとドキドキしっぱなしだった。
「みこ、聞いてる?」
「あ、うん。…まだ決めてなくて、今日はなぁちゃんちに泊まる予定なんだ」
私がこう答えると、翔太くんは髪をクシャッといじった。
そして、照れくさそうに笑った。
「………俺んち来る?」