好きなキモチ。


ピタッと立ち止まったなぁちゃんが、今度は私の手を弱く握る。

ジワリと暖かさが消えた。


「先生、みこのこと見逃して下さい!」

なぁちゃんは無理なことを先生に頼んでいる。


「何を言ってる!ホームルーム中に教室を出て、何時間も郊外にいたことを見逃すなどできるかっ!!」


そう、ですよね?

先生が見逃してくれるわけがない。


「青柳は、ちゃんと職員室まで来たぞ!」


先生から発せられた言葉に、思わずなぁちゃんと顔を見合わせてしまった。


えっ…翔太くんが?


学校に戻ってきたんだっ。



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