好きなキモチ。
「みこは、嫌かな。中学生からここにいるし、お父さんの我が儘を聞き入れるのはむ─「い、くっ」
私が『行く』と言うとお父さんは呆気に取られていた。
「い、いいのか?みこっ…本当にいいのか!?」
お父さんの言葉に頷くと、パァとお父さんの表情が晴れていく。
お父さんのこの笑顔が好き。
私だけがここに残るなんて出来ない。
今度は、私がお父さんの〝我が儘〟を聞き入れなきゃいけないんだ。
…なぁちゃんや翔太くんにいつ言おう。
…それより、ちゃんと言えるかな。
泣かないで言えるかな?
今みたいに笑顔で言えるかな?
大丈夫だよね。
私、強くなったから。