青いバラの瞳
薔薇の瞳
薔薇の色に青色はないと知ったのは最近になってからだった。
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小学校での同窓会、中学の同窓会高校の、クラブ関係サークル、当時の親しい友達、教師が集まると聞けば必ず行く。
当時の私は周りの人に避けられてはいたけど、
父が有力者で・・・というか、やくざまがいの傲慢な人で私にも関わるなと、意地悪されることはなかったけど、周りの人は、皆怯えていた。
父が死ぬまで・・・それからの付き合いは意地悪もあったが親しくしてくれる人もできた、
けど、私は一番、自分が避けられていた学生時代の同窓会に行く。
友達、気が合う人は誰もいなくても。
もしかして、あの子・・・、あの人が来てくれるかもしれないと思うから。
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私は裕福な家に生まれた。
桁外れに裕福だった・・・しかし私はそうは感じなかった。
多分心が貧しかったから、外見も中身も地味で普通よりかは、小心者、ケチでずぼらだった。
豪邸に住みながら、裕福さを感じずに育った原因の一つ、
成り上がりの男にありがちといわれるもの、父が何人もの妾を持ち、しかもその妾を同じ屋根の下に住まわせるという、呆れた性格だった。
毎日緊張し、自分の家の中で、女達の声に怯えて過ごしていた。
父のやっていたことは、源氏物語の主人公のように、できるだけ愛する人を傍におきたいとかの考えとは思えない、
自分の華は傍で監視したいとか、嫉妬させて争う様を見て楽しみたいのだ。
と、本妻である母がいつも言っていた。
母は、旧家の出で日本人形のように慎ましやかで従順な人に見えたが、内心は恨みつらみが積み重なっていたようだった。
*
私と兄が父に呼ばれ、
父の部屋に行く廊下には、妾のいる部屋が並んでいて、その前を通る時に、罵声を浴びたり、帰り道に意地悪される、
罵声は本妻の子に対して、母の悪口、意地悪はわざと廊下を水浸しにするとか、
虫を放すとか・・・。
もしかして、父がするようにと命じていたのでは、と兄は言う。
いいように考えれば、俺たちを鍛えるため、
酷い人間関係もある役所についてそう思う、という。
悪く考えれば、
本妻の子への意地悪も、嫉妬の表現として、楽しんでいたんだろう。