Nao
矢野潤
彼はとても器が広く優しい
「欲しくない。」
「そっかー…。ダメか」
「うん」
「わかった。ごめんね」
困ったように笑って小さな箱を彼女の手から受け取った
「仕事頑張って~」
彼はたまに変なプレゼントを渡してくる
そのたびに突き返すと彼はそのまま受け取る
そうなるくらいなら、渡さなきゃいいじゃない
とため息つきながら言ったら
“もしかしたら開けてくれるかもしれないでしょ?”
開けるって…と思ったが彼らしい答えだと思い笑った
矢野潤は彼女がシングルマザーの理由を知る人物
そんなに重要ポジションじゃない
彼女にとっては。