Nao


「また千景に苛められた?」


ハンバーグを作りながらしょんぼりしている矢野に声をかけた


「まぁね…アイツがいると奈緒を独り占めできないからやっぱり連れてくるんじゃなかった」


「ふふ…奈緒は矢野くんも千景も大好きよ?」


トントン…とリズム良く切れる玉ねぎ


「そうかなぁ…最近は奈緒はチューしてくれないよ」

昔はいっぱいしたのに。


荷物を置いていつも座るカウンターキッチンの前のイスでいじけはじめる


「矢野くん…奈緒も年頃なんだよ。チューしてくれないって。あんたならいくらでも女の子いるでしょ」


呆れたように笑う
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