Nao
あの時の私たちはただ幼くて若くて。

大人になりきれないでいたんだ


「これを渡したなら彼に未練はないよ、」






『美桜、これ絶対無くさないでね』


『もし無くしたら?』

『死んじゃうかも』


『なにそれ……
わかった。大切にする』





















「詩音は「矢野くん、私さ…そろそろ引っ越そうと思って」

「え、」

「田舎に帰ろうかなぁ。なんて…」


もうそろそろ、噂が広まるんじゃないか


ちらっと聞こえるママさんとの会話


明日でさらに広まるだろう


いくら彼らに他人の不利をしてと頼んでも


奈緒をみたら




驚くだろうし。




「あいつ等には言っておく、美桜見ても他人のふりって」

「でも奈緒を見たら?」


「…」

「矢野くん、最近さ。奈緒はどんどん詩音に似てきたの」


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