Nao

奈緒を抱っこして千景は中に入ると



「きゃ~!!」

「かっこいー!!!」

撮影は休憩中なのか、みんなワイワイやっていた


「相変わらずね…」

「?」

「あぁ、奈緒にはちょっと難しいかな…」

はいよ、と奈緒を下ろしてやると男の子たちが寄ってきた


「なーちゃん、りゅーちゃんいるよ~?」

「遊んでくれるってー」

「なーちゃんあそぼー」


わいわいと群がる男の子たち、幼稚園ではモテるのか…と千景は微笑む


「奈緒、遊んできな」

優しく頭をなでてやると奈緒は笑顔でうなずきみんなのところへ行った



ふと周りをみればキラキラ光る照明、の中にかなり若作りしたおばさん…いやママさんたち


奈緒をみてはヒソヒソ話す



その姿を見て千景はムッとする


「まったく…」


引っ越そうか考えている、と矢野から聞いて驚きはしなかった


なんとなく伝わっていたからだ





それは奈緒を守るために


奈緒を幸せにするために


美桜が一番優先にすること



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