守るちから。
5章

ガラッ。


「うっ。
うわーーーーん。」


「どっ、どうした⁉」



だめだ。
涙が止まらない。


病室を出るまで我慢していた涙がいっきに流れた。



「ぅっ。
ぜ…全部…っ…私との…思い出全部忘れちゃった…」



楽しかった思い出も、
悲しかった思い出も、


全部…全部。




「これから、忘れる前以上にいい思い出をつくればいいんだよ。」



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