夢を探して。 ==獣使い==



校長はぴゅうっと口笛を吹いた。





「お呼びでしょうか」




そこに現れたのは田中だった。

恭しく低頭し、跪く。

「あぁ、呼んだよ…事情はあとで説明するから、“獣使い”を全員呼び出してくれ」

「御意のままに」


田中は深く詮索せず、なにやら唱え始める。

そして目を閉じて手を前に突き出し、その勢いのまま地面に手を振り下ろす。

手をついた部分の地面が輝き、光が広がって行く。

そこから人影が現れた。





「なんの用だ?おれ達全員を呼び出すなんて、初めてだろ」





光が晴れ、訝しげに首を傾げる少年少女が何人も顔を覗かせた。




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