夢を探して。 ==獣使い==
「じゃあーーー俺にその身を捧げろ」
再び屋上に光が溢れ、一角獣が駆け抜ける。
光が晴れた頃には“獣使い”の少年少女達は全員自らの獣をのたうちまわらせ、眠っていた。
そのうちにその獣も消え、一角獣に吸収される。
「お前等とは違って、俺には力がある。唯一無二の絶対の力が。 それが、お前等が負けたたった一つの敗因。 ……害にしかならないこの力、俺が目的のために使わせてもらおうーー」
小さく呟き、校長と田中に向き直る。
「契約、成立」
松原は冷静に告げる。
「……キミ達“獣使い”には、通り名があるようだがーーー、キミにもあったのかい?」
校長は、たった今 松原に喰らわれるまで仲間だった者たちが倒されたことには一切感情を抱いていないようだった。
契約として、割り切っている…否、人としての感情が欠落しているとでも言うのだろうか。
「……………"虚無"」