夢を探して。 ==獣使い==
「ふはっ…キミはやはり面白い!“獣喰い”…良いナマエじゃないか!くふ…」
「何が面白い?俺にはお前の感性が理解出来ない。せめて、人間の理解の範疇で動いてくれないか」
松原は嘆息するが、それだけに留める。
諦め切った無気力な表情が、松原の疲れを痛いほどに表している。
そこでやっと校長は真面目な顔になり、倒れているみなみをちらりと見やる。
「“獣喰い”…第一等級機密により、津川みなみとの接触を極力控えよ。それと、呼び出しには絶対に応じるように。
そして命令は絶対。これさえ守ってくれれば後は自由…」
「フン…そんなモノ、どうだっていい……獣さえ、喰えるならな」
「それじゃあ、松原クン。キミは授業に戻り給え」
言うだけ言って、校長は忽然と姿を消した。
屋上には、元の静かで穏やかな気配が戻っていた。