夢を探して。 ==獣使い==
「ぅ…ん」
「目、醒めた?」
「ココ…どこ?いったい、私は何を…」
松原の顔が近くにあることに気づき、カバっと勢いよくみなみが起き上がる。
「そんなに元気なら大丈夫そうだね。覚えてない?津川さんは、校長と話をした後に倒れちゃったんだよ」
「…あぁ…思い出した…。だからちょっとふらつくのか…」
思いのほか冷静なみなみに松原が意外そうに目を細める。
でも、松原は優等生な笑みでみなみを労わる。
「まだふらつく?大丈夫?」
すると、みなみは松原を胡散臭そうな目で見つめた。
「……」
だが、口には出さず表情だけに留めた。
「もう、だいたい平気。そろそろ教室戻ろうよ」
みなみの言葉に松原は小さく頷いて教室に向かう。