夢を探して。 ==獣使い==



「な、なんでお前津川を抱きかかえてんだよ!何があったんだ!?トーガがそんなコトするなんて…!」


いきなり来て、いきなり一人で喋り続ける男。


それを無視し、紅がみなみと視線を合わせる。



「津川。眩暈するのか?」

「…う、ん」

「保健室行く」


「いや、ちょっと…!一人で歩けるって…!」


少し叫ぶと、視界が回って力が入らない。




それを横目で見て、紅は ほらみろ…というように呆れた顔をした。



「おい、トーガ!トーガが連れてったら、津川…お前のファンに殺されるぞ」



「……見つからなければ良い」





平然と言い、みなみを抱えたまま走り出す。

そのあまりの速さにあずさも男も呆然としたまま見送るしかなかった。









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