夢を探して。 ==獣使い==





目を瞬かせるみなみ。




そこは、廃部になったラグビー部の元部室だった。

紅は、そこの扉を開きみなみを投げ入れる。


そして自分も部屋に入ると、鍵をしっかりと閉めた。




「……な、なんなの!?こんなところに連れて来て……!保健室は!?」

「……保健室?知らねぇよ。俺は、お前に用があったんだ……。だから、質問に答えろ」



冷たい瞳。
紅は、静かにみなみに近づき触れようとする。


それを阻止しようと、みなみは起き上がろうとした。
しかし、身体に力が入らず立てない。

それを見て、紅がみなみの顔の近くまで近づいた。


そしてジッと見つめ、指で唇に触れる。


「……まだ、カラダ思うように動かないんだろ?俺が治してやるよ」



そう言って、紅はみなみの唇に自分のそれを押し付けた。






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