グランドで死ぬと決めたコーチ
いきなり飛ばしたお陰で、200回・300回とまだまだ前半戦なのだが、体が重くなり、掌は熱く燃え上がる。

500回を迎える頃には、手の皮が破れ激痛が走る。

しかし、言ったてまえやめられない。

子ども達の表情は苦痛に歪みながら、全員で数を読み上げる。

しかし、ひょうきんもの健ちゃんが雰囲気を一変させた。

「うりゃ~!」

突然必死な形相でスイングすると、笑いが起こった。

「しんどいのは全員だから、最後まで全員でやり切るぞぉ!」

と、私は声をかけた。

「はい!!」

潔い返事が、どっと返ってくると、その後は徹夜のナチュラルハイの様な雰囲気に包まれ、あっという間に1000回にたどり着いた。
< 54 / 85 >

この作品をシェア

pagetop