これからは…
「前にお父様と黒崎病院に足を運んだ時に、海斗さんとあなたが一緒に歩いていて…その時にわかったんです」

お父様…

生きてる、というか育ってきた世界が違う、と海斗以上に感じた瞬間だった

「じゃ、じゃあ、500歩位ひいて仮に私が黒崎先生の恋人だとして、なぜあなたに謝られなければならないんですか」

ええい、ままよ

「それは……」

香澄の長いまつげがふと伏せられる

きっと海斗ならこう断言するはずだ

吹けば飛びそうな女なんて願い下げだ。なんでそんなんで男が落ちるのかが理解できない

ああ、あんてあいつらしいことか

そしてなんて懐かしい口調だろう

そんなことを考えていたら、香澄の消えそうな声が、

けれど意に反してしっかりと耳に届く

「……彼の子を妊娠したんです」

「「………はい!?」」

本日、二度目の驚愕

時間が、止まった気がした
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