これからは…
「黒崎先生、これあっちの寮の鍵とその他もろもろの資料」
休暇明け
医局長神宮寺晶からシンプルで少し古めかしい鍵と茶封筒を受け取る
「立花先生寂しがってたでしょう。4か月も出張だなんて」
資料に目を通す海斗を見上げながら神宮寺が椅子の背もたれに深く寄りかかる
「まあ、いつも通りの反応で」
いつも通り、が何を指すのか
海斗に研修医だったしるふを任せた身としては、手に取るようにわかってしまう
「そう。最近元気がないのはその後遺症かしら」
思わず漏れた笑み
「最近元気がないのは、残暑が厳しいのとそろそろやってくる秋に備えた体重管理のせいです」
一キロ増えた
と不機嫌そうにつぶやいたしるふ横目に
一キロくらいどうってことないんじゃないかとそっと心の中で思った
「相変わらず面白いのねー」
見てて飽きないわ
と声高らかに笑う神宮寺に顔色一つ変えないのは、この手のからかいに慣れたため
「ICU行ってきます」
机の上に貰った袋と鍵を置いて、聴診器を首にかけて医局を出る
休暇明け
医局長神宮寺晶からシンプルで少し古めかしい鍵と茶封筒を受け取る
「立花先生寂しがってたでしょう。4か月も出張だなんて」
資料に目を通す海斗を見上げながら神宮寺が椅子の背もたれに深く寄りかかる
「まあ、いつも通りの反応で」
いつも通り、が何を指すのか
海斗に研修医だったしるふを任せた身としては、手に取るようにわかってしまう
「そう。最近元気がないのはその後遺症かしら」
思わず漏れた笑み
「最近元気がないのは、残暑が厳しいのとそろそろやってくる秋に備えた体重管理のせいです」
一キロ増えた
と不機嫌そうにつぶやいたしるふ横目に
一キロくらいどうってことないんじゃないかとそっと心の中で思った
「相変わらず面白いのねー」
見てて飽きないわ
と声高らかに笑う神宮寺に顔色一つ変えないのは、この手のからかいに慣れたため
「ICU行ってきます」
机の上に貰った袋と鍵を置いて、聴診器を首にかけて医局を出る