これからは…
「信じるって決めたのに、海斗なら私を裏切ったりしないってわかってるのに、不安になる自分がさ、やっぱり一番嫌いかも」

宮本さんの言葉に、有り得ないと思いつつもショックを受けた自分が居た

それが一番嫌だ

思わずボールを見送ってしるふを振り返る

フェンスに頭を預ける彼女の表情はわからない

でも、フェンスを握る手が、何かを物語っていて

「…仕方ないんじゃない、好きなんだもん。不安になるほど、揺らぐほど大切で失いたくないってことでしょ」

疑ってるわけじゃないんだもん、仕方ないよ

「黒崎先生は、わかってるよ。不安と疑いの違いを。疑ってばっかりだったらさすがの黒崎先生もなんで信じないんだって怒るかもしれないけどさ」

浮気ー、と冗談交じりに言うしるふの言葉に少しの不安が隠れていることを

きっと彼は気づいている

それでいてちゃんとなだめてくれるのだから、怒るわけがない

「らしくないよ。しるふは、黒崎先生を振り回す側でしょ」

ふっと振ったバットにボールが当たる
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