これからは…

「ん、おはよう」

条件反射的に返事をして声のした方に顔を向ける

と

「海斗!?ーっ!」

見下ろす漆黒の瞳にガバリと起き上がり、勢い余って壁に頭を強打する

痛い、かなり痛い

「っ。…な、なんで!?何してるの!?」

右手で頭を押さえ、左手で布団をかき抱きながら海斗を見上げる

「頭、大丈夫か」

至極冷静に海斗が聞き返してくる

「ああっと、たぶん大丈夫……じゃなくて!!なんでここにいるのよ!!出張は!?てか、いつからいたの!?何勝手に乙女の部屋に入ってんのよ!!」

「出張？終わったけど?」

「いつ!?」

「一昨日。終わったってメールしなかったか」

「してない!!来てない!!そしてもう一回言うけど、何勝手に乙女の部屋に入ってんのよ!!!」

「…ああ、ほんとだ。未送信になってる」

携帯を確認しながら海斗がしるふに背を向けてキッチンに置かれた二つのマグカップを持ってくる