これからは…
「ちょ、ばか、もう!人の寝顔勝手に見ないでよ!!」

「寝顔なんて毎日見てるだろう」

なにをいまさら

「そうだけど!!」

それとこれとはわけが違うわー!!

叫ぶしるふに片方のマグカップを渡す

「…ありがとう」

不機嫌そうに照れくさそうにつぶやくしるふの頭をそっとなでる

ついでに先ほど強打していたところに触れる

「これ、たんこぶなるぞ」

「海斗が悪いんじゃない。突然帰ってきたりするから」

しかも勝手に乙女の部屋に入るし

そっと湯気の立つミルクティに口をつけつつ、ぼそりとつぶやく

「合鍵渡したのはしるふだろう」

「そうれは、そうだけど…」

離れていった手と海斗の背を見上げながら

「ねえ、海斗」

問いかける

振り向いた瞳は、変わらない漆黒

でも

「なんか、怒ってる?」
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