これからは…
「黒崎先生の彼女さんてどんな人ですか」
無言は肯定
何より視線を向けてくることは、拒絶ではない
「…俺は一度も彼女がいるなんて言った覚えはないんだが」
でも、一瞬でうんざりとした光を宿す瞳
「とか言って、ちゃんといるのしってるんですよー。右手薬指に指輪してましたもんねー。しかも私の記憶が正しければ、あれ結構値がするものですよね」
しかもペアでしか売ってないはずです
「無駄に視力がいいんだか、無駄に情報を掴んでいるんだか」
「運がいいって言ってください。私服姿の黒崎先生を見たのは、あれが最初で最後なんですから」
安心してください、誰にも言ってませんから
あんな貴重な情報、みすみす他の看護師に話したりなんてしない
「それはどうも」
まったく感情のこもっていない言葉
「で、どんな彼女さんなんですか?」
「そんなこと聞いてどうするんだ」
視線すら合わせず、段ボールに着々と物を詰めていく
ほとんど本で埋められたそれは、見た目以上に重いのではないかとふと思う
無言は肯定
何より視線を向けてくることは、拒絶ではない
「…俺は一度も彼女がいるなんて言った覚えはないんだが」
でも、一瞬でうんざりとした光を宿す瞳
「とか言って、ちゃんといるのしってるんですよー。右手薬指に指輪してましたもんねー。しかも私の記憶が正しければ、あれ結構値がするものですよね」
しかもペアでしか売ってないはずです
「無駄に視力がいいんだか、無駄に情報を掴んでいるんだか」
「運がいいって言ってください。私服姿の黒崎先生を見たのは、あれが最初で最後なんですから」
安心してください、誰にも言ってませんから
あんな貴重な情報、みすみす他の看護師に話したりなんてしない
「それはどうも」
まったく感情のこもっていない言葉
「で、どんな彼女さんなんですか?」
「そんなこと聞いてどうするんだ」
視線すら合わせず、段ボールに着々と物を詰めていく
ほとんど本で埋められたそれは、見た目以上に重いのではないかとふと思う