鉄は熱いうちに撃て!?
「お、おまえ覚えてろよ!」

まるで、悪者のポリシーにのっとった様な暴言を吐いた後、不良野郎はさっていった。

シルが、これまた静かに、自分の席に戻る。

「ありがとさんなんだな、これは、御礼の印なんだな」

シェフは、机の上に山盛りの骨つき肉を置く。
シルは、それに手を伸ばしひとつずつ食べていく。

それにしても、珍しいな、お前が自分から揉め事に、巻き込まれに行くなんて

「別に、自分の食べるぶんの肉が減るから」

えぇー、というかやはり、まだ食うつもりだったのかお前は、

と、思いながら俺は、

目の前の食い意地張った(というと怒るがな)、
けっこう年齢の割には幼めの、
いつも、ダボっとした服装の、
腰に剣を八本もぶら下げている、
無口な
黒髪女戦士、

「シル」をみていた。

ああ、そうだ外見の上では、もっと重要な、ポイントがあった。

こいつは、普段は首の回りに布を巻き鼻やら口やらを隠している。
前に、この布はなんだ、と聞いたことがある、「ネックウォーマー」という不可解な答えが返ってきたが、こいつ以外にこれをしているやつを、見たことがないので、合ってるかどうかは定かでは無い。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop