鬼狼の少女
深い、藍色をした瞳とぶつかる。

「…巡察中に倒れているのを見つけた」

頭が痛い。

良かった…本来の姿にはなってない。

「大丈夫か、顔色が悪い」

覗き込むような仕草に、条件反射で体が硬直する。

「大…丈夫、です。すみません」

すごく、美青年。

人間で、しかも初見でこんなに興味をそそられたのは、初めてだ。
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