鬼狼の少女
性的な意味ではない。

その瞳の奥に秘められた、この人の強さに、惹かれた。

この人のことを、一切知らないが、強い、と、思う。

精神が、強いのか。

それとも、全てが強いのか。

人間じゃない、心を持たない私には、わからない。

「…綺麗な、瞳の色だな」

唐突に、言われる。

「綺麗なんかではない。濁ったこの瞳の色が、綺麗なはずがない」

「…いずれ、アンタにも分かる。それを、認めてくれるものが居たら」

そんなもの、居るわけない。

私はー…

「この世に必要ないのだから」

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