PANSY~私の事を想って下さい~
「1人で何してんの~?」
ビクッ
低い声にびっくりして、私の肩はすっごい上がった。
正体を知りたくて、振り向いてみると、イケメン。
「やぁ!」
手を上げ、微笑みながらそう言ったのは…
「…さ、酒井先輩…」
「びっくりした?」
「は、はい!とっても…」
爽やかな笑顔を振りまいて言う彼は、とてもじゃないけど、この前怒っていた人物と同一人物だなんて想像出来ない。
「それ、凄い荷物だね。あ、もしかして図書室に用事かな?」
私は、あまりにも綺麗すぎる顔に見とれて、
「…はい」
ぱっとしない、明るくも可愛くもない、曖昧な返事を返してしまった。