お願い…先生。
その日の夜、茉莉は
眠れなくて
体調も悪くなって
学校を休んだ。


―ピンポーン

インターホンが鳴ったと
思えば
部屋の扉が開いた。

『大丈夫か?』

…疾風くんだった。

『あ、うん。この通り!だいぶよくなったよ!』

『そっか、よかった。
それより昨日は大丈夫だったか?』

…そういえば
あの時おいていっちゃったんだった…。

『うん、昨日はごめんね?おいて行っちゃって…。』

『ん、全然大丈夫。もしかして…泣いてたのって…』

『え??』

『や、やっぱなんもねぇ!明日は学校こいよ!』

『う、うん!ありがとう!』

疾風くんはクシャッと
笑って
部屋を出ていった。

『疾風くん、優しいな…』
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