お願い…先生。
もう何を言っても
疾風くんは止まってくれないと
判断してただただついていった。
もうとっくに完全下校の時間を
過ぎているからか
校内に人影はなかった。
いつもは騒がしい廊下も
嫌なくらい静かだった。
どういう状況かわからない中
ふと疾風くんは立ち止まった。
英語準備室の前で―。
「…疾風くん??」
到底、答えてくれるわけもなく…。
―ガチャッ
疾風くんは準備室のドアを開ける。
「失礼します。」