僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ
おばあちゃんは、最初、びっくりした顔をしたが……
静かに話し始めた…
「…おばあちゃん!何となく分かってたよ……でもっ…口に出して言えなかった…ごめんね」
鼻がツンとなった…
涙が…
ポロポロと出てきた。
「おっ…おばあちゃん!」
おばあちゃんの胸に飛び込んだ。
おばあちゃんは静かに、よし…よしっと背中を叩いてくれた。
昔!………
確かこんな事があった。
3月3日の雛祭り
雛壇の前で、可愛く着飾った自分が、ふてくされて、あられを食べていた時
おばあちゃんが、新聞紙で作った兜を、
ほれっ機嫌直せ!と、兜を、かぶらせてくれた事があった。
あの時は、何だったのか解らなかったが、今なら解る気がする。5月5日の男の子の節句の兜だ!
しばらくの間……
おばあちゃんの腕の中にいた。
大分、気持ちが落ち着いた頃……
「夕夏の、好きな様に生きたらいい……おばあちゃんは、夕夏の見方だから」
そう言って頭を撫でてくれた。
顔を上げる事も出来ず
ただ……
「うん…うん」
と、おばあちゃんの腕の中で、何回も頷いた。