僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ



次の日………



何かが、吹っ切れた感じで、自分の足は床屋へと向いていた。



床屋の中に入ると店の人が、


「今日は、カットですか?顔剃りですか?」

と、聞いてきた。



「かっ…、髪を切って下さい」



「宜しいですが、家は床屋なんで美容院の様なカットは出来ませんけど大丈夫ですか?」



とっ、自分の長い髪を見て言う。



「……いいです。短く男みたく切って下さい」


店の人は、一瞬びっくりした顔をしたが
どうぞと案内してくれた。



13年間長くしてきた髪………


吹っ切るなら!


ここから始めるしかない………



椅子に案内されてカリフをまかれる。



「どの様にしますか?」


床屋のおじさんが髪を触りながら言った。


「かっ、刈り上げて下さい。」


「刈り上げ?そんなに短くするの?」


「…はいっ!」


意を決めて言う。


「もったいないねぇ~こんなに綺麗に長くのばしてたのに…」



「いいんです!!」



切ってもらってる間…
ギュッと目を閉じていた。



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