僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ



それからどうなったかと言うと…
おばあちゃんと一緒に、みんなのいる居間に行った。



心臓はバクバクして
足が、前に進まない………



最初に声をあげたのは、母親だった。



「………夕夏っ?」



母親は…持っていた夕飯のおかずの皿を、落とした。



落ちて割れた皿の音だけが部屋中に響いて皆…
固まって黙っている。


父親は、目を見開いたまま…自分を見ている。



想像していた事だか、現実になると…
事の大きさを知る。



最初に、口を開いたのは、兄だった。



「べっ別にいいんじゃねぇ~っ、ボーイッシュって感じで」


「……………」


「あ~…いきなりでびっくりしたけど、父さんは、別に短い髪の女の子でもいいと思うぞっ」



……違う



「何言ってるの!女の子は長い髪の方が女性らしくていいのに…切ってしまったら仕方ないけど、母さんは夕夏は長い方が似合ってたと思うよ」


………違う



「夕夏はね…」


おばあちゃんが、話しかけた。



「…ちっ、違~う!!」


大きな声で叫ぶと、皆、自分の方を見た。



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