僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ



大分…皆も落ち着いて、


今まで、言いたくて言えなかった事を、
ゆっくりと…話した。



皆…黙って最後まで話しを聞いてくれた。



「じゃっ、夕夏は体が女で?心が男って事……だろ?」



兄が言う。


「……まだっ…父さん信じられないけど、夕夏は…ずっとその事で悩んできたって事なんだねっ」



大きく頷いた。



「だからって!はいっそうですかって、今の今まで娘として育ててきたのに、これから息子として?…母さんは、息子2人も産んだ覚えはないわよ!!」



「母さん!!」



父さんが、母さんを宥める。



「夕夏は夕夏!……母さん!夕夏は、ずっとそれが怖くて夕夏は今まで言えなかったんだよっ」



おばあちゃんが続けて言う。



「…これからの事!夕夏が、どうしたら幸せになるか…それが今、一番大事な事なんじゃなかろうかねぇ~」



おばあちゃんが、自分を抱きしめながら必死で話し続けてくれた。



    
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