いつか、この想いを。
「おはよう、狩野。」




にっこりとそう挨拶してきた櫻井先生。



「…おはようございます。」


「ん?元気ないな。朝は弱い方か?」


「そういうワケじゃないですけど…。」



貴方は朝から元気そうですね、なんて心の中で思う。



そんな私の胸中を知る由もない櫻井先生は、ふと思い出したように口を開いた。



「…そういえば狩野。おまえって、英語苦手なのか?」


「え?」


「いや、こないだの小テスト、狩野が断トツの最下位だったから。」


「…えっ!?」



いきなり告げられた衝撃の事実に、鞄を落としそうになった。



「あ、最下位と言ってもあくまでクラス最下位だから心配するな。」


「それ、フォローになってませんから…。」



少々ズレた発言に、脱力しそうになる。



目の前でにこにこしている教師が、今は憎たらしい。
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