もっと美味しい時間
「慶太郎さんの“愛してる”と同じくらい、私も誰より慶太郎さんのことを愛してるからっ!!」
「知ってる。そんなことは分かってる。でも百花、あんまり言葉に出して言わないからさ。ちょっと意地悪してみた」
意地悪って……。
「慶太郎さん、ヒドいっ!!」
怒って顔を上げると、次の文句を言おうとした唇を塞がれてしまう。
驚いて最初こそ無駄な抵抗を試みたものの、数秒でノックアウト。その甘いキスに身も心も溶かされ、私の中心が疼く。
チュッと音を立てて唇を離すと、甘えるように首筋に顔を埋めた。
「感じた? 百花の身体も準備オッケーみたいだし、早く戻ってエッチするか?」
からかうようにそう言って、耳朶を甘咬みする慶太郎さん……。
「ば、ばかぁ~」
それもいいかなぁ……なんて思ってしまい、照れながら慶太郎さんにしがみつくと、いつものように盛大に笑われてしまう。
「はははっ、百花をからかうのは本当に面白い」
「面白いって……。でも京様と綾乃さんは?」
「綾乃には帰ってもらった。またちゃんと話さないといけないけどな……」
慶太郎さんの口から彼女の出ただけで、胸が苦しくなる。左手で胸を掴み少し俯くと、優しく肩を抱かれた。
「大丈夫、心配するな。俺には百花だ」
「う、うん……」
強くなるなんて豪語したけれど、やっぱりすぐには無理そう……。でも慶太郎さんの言葉を信じて、少しずつ頑張っていこう。