もっと美味しい時間
一緒に二人で出張かぁ……。
まさかとは思うけど、一緒の部屋に泊まった……なんてことないよね?
京介に聞いてみる?
チラチラと京介を見てみるが、真剣に新聞を読んでいて私なんて眼中にないみたい。
だよね……。
また溜め息を付いてテーブルに頬杖をつくと、私よりも大きな溜め息が聞こえてきた。
「なぁ、俺のことチラチラ見た挙句、溜め息つくの止めてくれ。気が散ってしょうがない」
「分かってたなら、気にしてくれたっていいじゃないっ。京介の意地悪っ!!」
「意地悪って。ほんとお前ってガキだな」
グサッ!!
そんなズケズケと胸を刺す言い方しなくてもいいのに……。
「で何? 聞きたいことあるんだろ?」
「えっ? 聞いてくれるの?」
しょうがないなと言うように、何度か頷いた。
口を開こうとすると、タイミング良く? 悪く? フルーツパフェが運ばれてきた。
「わあぁ~」
私が作るのなんか比較にならないほど、フルーツがギッシリ見事なフルーツパフェが現れた。
ところ狭しと飾られたフルーツの、みずみずしくて美味しそうなことっ!!
ツヤツヤと光り輝くそれらに目を奪われてしまい、言葉を失ってしまった。
パフェ用のスプーンを持ってしばらく眺めていると、京介がゴホンっと咳をして我に返る。
「あっごめんなさい。さすが当店自慢だけあって、食べるのがもったいないくらいのフルーツパフェで」
すると京介が「ふ~ん」と一言いい、ニヤニヤ笑い出した。