浮気彼氏×臆病少女
今だけは笑顔でいさせてよ。
「"愛してた。サヨナラ"って言ってほしいんだ。」
頑張って頬をあげる。
そうでもしないと、今にも目から零れ落ちそうだ。
「は‥‥何言って。」
「本当はね、あたしからサヨナラを言うつもりだったんだけど。自分で言うと、引きずっちゃいそうで怖いの。だから、きれいさっぱり振られたいの。」
震える拳を必死に背中で隠す。
あ、でも背の高いカレなら見えてしまうかもしれないな。
「これが、最後のお願い。聞いてくれる?」
「‥‥‥。」
カレはあたしをジッと見つめたまま何も言わなくなった。
お願いだから、早く言って。
泣きたいの、大声で。