オレンジ


先生もどこかに行き、保健室はあたし一人になった。


布団を頭から被り、先ほどのことを思い出した。


梶谷…あんな性格だったっけな。


もっと無口なんだと思ってた。


それに、抱き抱えられてるとき、あたしは大きな安心感に包まれていた。


なんでかわからないけど……。


梶谷が大きいからかな。


つか、あたしお姫様だっこされたんだよね……。


抱き抱えられていたときのことを思い出してなんだか少し恥ずかしくなった。


「…………梶谷」


彼の名前をつぶやくと余計にあたしの顔が赤くなった気がした。


「もっもう寝よ!!」


あたしは布団を握りしめて眠りについた。



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