HELIOLITEー君と輝く音ー
「はぁ…」
知らず知らずの内に深いため息が零れていた。
これから、どうしたものか。
バンドの核であるボーカルの篤。
篤という存在があったことで、このバンドが音を奏でられた。
篤、ボーカルが居ないことには何も始まらない。
声が乗ることで人々に感動を与えることのできる音楽。
声が乗ることで俺たちの演奏が音楽となって人々の心へと届けられる。
篤が去って行った音楽室。
当然、その後に練習する気が起きるはずもなく、この日は流れ解散となった。
バンドの中枢でもあった篤が抜けたことで、解散の危機が訪れようとしていた。