HELIOLITEー君と輝く音ー
部屋に入り直ぐさま、デンモクを手に取ったのは望だ。
望はそれを掲げると俺たちを見渡す。
それは拓弥の手に渡らないようにとの行動だろう。
「先、誰から歌う?」
「やっぱ、そこは俺でしょ」
望が問えば、当然口に出すのは拓弥だ。
しかし、奴に渡す訳にはいかない。
「「断固拒否」」
「何だよ、お前ら!ここぞとばかり協力しやがって!」
ガオー!と吠える拓弥。
馬鹿丸出し過ぎて、こっちが恥ずかしい。
「じゃあ、かなで歌う?」
「えっ!?私ですか?ム、ムリです!」
「そっか。なら、私から歌おうかな」
そう言ったのは、武内。
タッチパネルを手に取ると、素早く曲を入れていく。