HELIOLITEー君と輝く音ー
いつもよりも、作ったご飯が美味しく感じた。
お母さんと一緒に夕飯。
とても、久しぶりのことで私はまじまじとお母さんがご飯を食べる様子を見ていた。
この時にはすでにアンプは切ってあって、代わりにテレビが点けてある。
お母さんが帰ってきた時には直ぐにアンプの電源を切るようにしているから。
だって、音楽を聞くだけならまだしも。
私の場合は歌っているし、その事を知られたくなかった。
何より歌っている事実を知られるのが、さっきもだけど恥ずかしい。
「あ、美味しい…っ!」
その時、お母さんがコロッケを口に含んだ瞬間、声を上げた。
合わせて笑顔をこぼす。