HELIOLITEー君と輝く音ー
「あの…やっぱり、りんちゃんではダメ…ですよね?」
眉を顰め申し訳なさそうに拓弥を見上げる。
その瞳が微かに潤んでいる事が奴の心を動かしたのだろう。
「…うっ、うう…い、いいよ!それでー!」
だが、最後はヤケクソな感が否めなかった。
まさか、拓弥が許可するとは思っていたのか、望が驚いていた。
因みに、簡単に説明するとりんちゃんとは拓弥の苗字、鈴木からきたもの。
鈴木の鈴はすずの読み方の他にりんもあるからな。
小学生の頃、同級生の一人がふざけてりんちゃんと呼んだ事でそれが広まり、定着。
そして、りんちゃんと言う呼び方のせいで奴は女の子扱いを受けていたと…
大体、そんな感じだな。