HELIOLITEー君と輝く音ー
「やっ、引っ張らないでくださいよ…っ」
「そうでもしないと出ないでしょ!ほら、隠れてないで」
「ひゃあ!」
「…っ!おっと…」
武内が背後からかなでを引っ張り出す。
その時の勢いでかなでが前のめりにつんのめる。
危うく転ぶであろう直前で彼女の身体を受け止める事に成功した。
その際、彼女の緩くウェーブした黒い髪の毛が後ろに靡く。
「大丈夫か?」
「ヒ、ヒーロー…だ、大丈夫です…ありがとうございます」
「そっか」
腕の中に居るかなでが顔を上げる。
その顔は真っ赤なりんごの様に、いやそれ以上に赤かった。