HELIOLITEー君と輝く音ー
流石にやりすぎだとは思ったが、その言葉は出て来なかった。
何故なら、彼女の姿に思考を奪われたからだ。
いつもは結ってある髪の毛は下ろされ、その顔には薄く化粧が施されている。
さっき、かなでの顔が真っ赤に見えたのはそのせいかとも思ったが、それがなくとも彼女は赤い。
頬を赤らめた彼女は黒で統一された服に身を包んでいて、その下でピンクのスカートがよく映えている。
「あ、あの…」
「ああ、すまん」
腕の中でモゾモゾと動いたかなでに俺は手を離した。
離れた事でその温もりがなくなる。
「あ!やっと、来たのかー!」
その時今まで、音楽を聞いていて気付いていなかったのか、拓弥が声を上げた。