HELIOLITEー君と輝く音ー

「あの…」



かなでが恐る恐ると俺を見ている。


それで、一体何でしょう。と小さく続けた。


拓弥の心配をしなくなったのは、望の影響か。


手首をさすりながらそれに拓弥が答える。


うらめがましく俺を睨みながら。



「おかもっちゃんの敬語。やめない？」



いつも気になってたんだよねーと拓弥が言った。


確かにと望が珍しく拓弥の言葉に頷く。



「同じバンドのメンバーで友だちなんだし、敬語はなんか他人行儀で私も気になる」



まさか自分の言葉遣いが話題に上がるとは思っていなかったのだろう。


メガネの奥に隠れる目を大きく見開いている。



「あ…あの…」



かなでが敬語で話すのは何か理由があるのだから別によかったんじゃないのか。


と思いつつもやはり、二人の言う通りできるならば敬語をなくして欲しいとも思ってしまう。


望の言う、他人行儀というのにも共感できるし、壁を感じるから。